最近、日本での新型コロナ感染者数激減の理由として、「NSP14」なる酵素たんぱく質が話題となった。10月での日本人類遺伝学会の発表とのことで、新聞やテレビでも取り上げられてた。新型コロナウイルスでの変異修復に関係し、NSP14が修復に働きかけるが、その機能が衰えたというもの。
テレビとかで聞いて、「でも、それだと最近のイスラエルとかイギリスの感染者数増大の説明が、つかないような気がする」なんて少し思ってた。そしたら今朝のテレ朝「モーニングショー」で、その「NSP14」の活動を鈍らせる「アポベック」(APOBEC)が取り上げられた。「アポベック」の働きの活発な人が、東アジアなどに多いと。
https://twitter.com/morningshow_tv/status/1455411724404682752
すると『変化したnsp14』が作られます。
— 羽鳥慎一モーニングショー (@morningshow_tv) 2021年11月2日
東アジアやオセアニアでは、アポベックの働きが活発な人が多いということです。 pic.twitter.com/HAsdtzoLeb
少し納得した。
ただしがあって、個人的に、日本での急減理由の筆頭かというと、少し懐疑的に思えた。「アポベック」が日本での急増と急減の筆頭だとしたら、日本での8月での急増があまりに大き過ぎであるためである。そして、他の東アジアも急減したら良さそうなのに、そうでもない点である。
やはり個人的には、日本の(急増と)急減の理由は以下辺りに思える。
・東京オリパラの終了
・北京冬季五輪の関係で、多分日本への中国からの入国者が激減
・ワクチン接種
・スーパーなどで、ワクチン接種完了でもマスクで入場が相当徹底されてた
・デパ地下とか家庭内感染など、感染者発生場所がニュースなどでに取り上げられて、具体的な感染対策に役立った
これらの次に、アポベックとかがあるように思っている。
なお、「ワクチン接種完了でもマスクを!」は、日本よりも台湾が顕著に思える。札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学での感染者数のグラフを示す。対比的に、イギリスでのそれも一緒に表示。人口あたりでの7日間のもので、縦軸は対数目盛。
スナップショットが以下。
マスクに対する台湾の対処は、以下辺りが参考になると思われる。日本台湾交流協会での、日本語での記述。直近では、第2級が継続しているが○○に注意みたいなお知らせがある。
日本でのそれがスーパーなどでの自主的というかボトムアップ的なのに対して、台湾の場合は担当部署からの正式な要請である点が大きな違いかと思う。また、台湾の場合、具体的な記述になっている。お知らせを追加を含め適宜更新していて、レベル第2級の維持(8月24日~9月6日)とかでは、病院の見舞いやシュノーケル等マリーンスポーツなどに言及していたりしている。
アポベックにしろ、日本での新型コロナ感染者数激減の理由を探ることは良い事と思う。と同時に、新型コロナ感染者の感染者に関する情報取得や、微増でも水際対策などの対策を起動する仕組みが重要であろう。
時々各都道府県の感染者場情報を見るが、感染者数ピークと同じように、番号と年齢層辺りがあるだけで、居住地等を調査中としているところが多い。都道府県内や都道府県と国との情報では記載されているのかもしれないが、行動履歴の概要とか県外の人との接触の有無などは、なるべく公表した方が良いと考える。ちなみに、県や市でクラスター分析を継続して公表している自治体(というか保健所経由?)が、ポツリポツリとある。解決済みと未解決クラスターの区別が分りにくかったり直近が記載での下の方の記載で、欲するクラスター情報へ行きつくのが面倒なところが多い。が、クラスター情報の方が、記述項目の少ない感染者情報よりも、各自治体の状況概要を知る上で役立つことが多い。
新型コロナ感染者数激減の日本だが、アポベックのようにウイルスそのものでの原因探索と同時に、感染者数少ない今のうちに感染者情報把握を充実し、微増を含めた感染拡大への備えを行っておくべきと考える。