つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

ゴジラ映画 製作プロジェク

昨日はついでもあって、六本木ミッドタウンのゴジラを見学。ハリウッド版ゴジラ公開にあわせたイベントで、広場に6.6mの上半身ゴジラが登場。  http://www.tokyo-midtown.com/jp/summer/2014/godzilla.html

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その時に撮影した写真。 そのうち真ん中のは、ゴジラの顔が結構リアルだ。ただし雑誌や予告編でのハリウッド版ゴジラは、頭や鼻が平べったい気がするし、首も含めてずんぐりしてるように思う。あと、目が映画の方が黒っぽいと思う。なお、写真の下のほうに目をやると格子模様が見えて、人によっては好き/気にならないかもしれないけど、自分としては工夫が欲しかった。 そのうち右の写真での、ゴジラの左の方にゴルフでのグリーンのような模様が見えるが、それがハリウッド版のゴジラの場合の足跡とのとこ。ちなみに6.6m版ゴジラに相当する足跡も、フィギアの周りにいくつか書かれてる。
以前自分のブログに"ゴジラ特集 雑誌「pen」など"を書いたけど、最近ゴジラ関係をポツリポツリと目にしたり読んでる。そこで述べたように、プロジェクト遂行という観点でゴジラ映画作成のことを読むと、結構参考になった。 まず、的確にまとめられてるウィキペディアでの映画一覧 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9%E6%98%A0%E7%94%BB%E4%BD%9C%E5%93%81%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7 ウィキペディアでの「ゴジラ (1954年の映画)」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9_%281954%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB%29 ウィキペディアでの「ゴジラの逆襲」(第2作) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%83%A9%E3%81%AE%E9%80%86%E8%A5%B2 これ以外の各映画も、ウィキペディアでは結構細かく映画作成の様子が書かれている。 断片的だけど、ウィキやpenなどを読んでプロジェクト遂行として参考になりそうなことを書いておくと、、、。 ・当初(企画段階)は「G作品」。 記号やコードネームにするのは製品開発の時がそれに近いけど、最終的な商品名や細部に関しては誰もわからないことは多い。 ・田中の企画は、上層部会議(経営会議?)で森岩雄以外には反対される。 まっ、結構良くあること。ただ、その後の打ち上げなどの話などから、Goになった後には妙な足の引っ張り合いは無かったと思える。その辺りは、決まったら協力する/少なくとも足の引っ張りはしない意識にはなっていたんだろう。組織体によっては、妙な足の引っ張り合いというか追い込んで愉しむ連中がいるように思える。 ・香山滋の原作。 プロジェクトでも、やはり叩き台台はあったほうがいい。それにしても、1週間で完成させたのには驚き。 ・プロデューサー・田中友幸、監督・本多猪四郎、特撮・円谷英二などの以前のつながり。 前の作品で一緒に組んだとかで、多少気心が知れていたと思われる。プロジェクトでのキーマン達をゼロから掻き集めるのは注意が必要だ。あるいは、キーマンにはある程度の人事権なり人集めの権限を与えた方が良い。 特撮部分については円谷は、当初本多にすら撮影したフィルムを見せなかったという。それでも上手くいったのは、原作や脚本などで基本部分を共有していることと、相互信頼があったからと思われる。 ・本多猪四郎円谷英二の、ゴジラスーツアクター中島への「お前が動いてみないと分からない」。 スーツアクター中島が動作のことを聞こうにも、分からないとの返事。微細な細部は、進めながら決めてくのの典型。 ・プロデューサー・田中は、その後東宝映画社長へ。 会合などでプロジェクトマネージャーのキャリアパスのことが話題になるけど、ふとIT業界だけが秀でたプロジェクトへの見返りが無さ過ぎなのではないかと思えてしまう。(田中の後にプロデュースを務めた富山省吾も、東宝映画社長に就任。) ・円谷英二の蛸(タコ)案のエピソード(当初は円谷案と、恐竜の田中案が対立)。 プロジェクトの当初は、大なり小なり意見対立は発生する。むしろそれが普通。もちろん決定後は、円谷も恐竜前提。(シリーズ第3作の「キングコング対ゴジラ」では、大ダコが登場する。実物と人形アニメによる。) 駄目もとを含めて、意見交換の際には自分の意見を言っておいた方が良い典型。その時は不採用でも次に採用されるかもしれないし、思わぬことが発生して代替案として採用されることもある。特に製品開発の場合は、(特に他社からの申請をつぶす意味で)特許ネタとして特許出願しておくなどが考えられる。 ・ゴジラシリーズの俯瞰での、監督や特技監督、音楽担当の違い。 ゴジラの形状や作品の仕上げ方などが結構違っている。(松竹の「寅さん」とは好対照かもしれない。) 製作記を読むと監督間の考えの違いなどもあって面白い。製品開発で言えば、シリーズでの違いや、ここの製品での微妙な違いと似てはいる。 ゴジラ映画が、BOKで描かれているようにとか理想のような状況で作られたわけではない。総じて、色んな意見の相違がありながらも、予算や上層部による制限の中、作品(商品)に仕上げて行った過程は、大いに見習うべき所があると考える。というか、今回ゴジラ映画のことを調べて、改めて参考になることが多いな~と感心してしまった。

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