つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

プロジェクトマネジメント学会 2011年度秋季

昨日(15日)と今日は、プロジェクトマネジメント学会2011年度秋季研究発表会に参加。

http://www.spm.or.jp/wp/%E4%B8%80%E8%88%AC%E7%A4%BE%E5%9B%A3%E6%B3%95%E4%BA%BA-%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%8D%E3%82%B8%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E5%AD%A6%E4%BC%9A-2011%E5%B9%B4/

上は、お知らせでのページだけど、大会パンフレットへのリンクなどがある。場所が産業技術大学院大学とのことで、行ったことが無かったのも動機。

以下思いつくままのメモ。ちなみに〔〕内の番号などの記載は、セッションの番号

・昨日は、昼食は見学を兼ねて学食でと思っていたら、学食は食事の提供無しと。昼の暑い中、駅近くのコンビニまで歩いた。学内にコンビニもなかったように思う。学食の食事の提供無しは、事前案内が欲しかった。

・初日の開会挨拶などを含めて、マイクの調子が今ひとつ。事前確認不十分だった? キーノートの最初の頃に復旧してほっとした。

・〔キーノート1〕の旭山動物園の前園長小菅氏の講演は、面白かった。チーム形成で参考になる部分が随所に。特に、来場者への説明を飼育係などで行う際の、苦手なメンバーへの対応。苦手のメンバー「人付き合いが苦手で、飼育係になったのに~」。 でも結局自発的に説明を行うようになった。

・〔パネルディスカッション〕はPM標準の国際対応など。パネリストの忌憚ない意見もあったが、発言の一部に垣間見られる程度で各パネリストの背景などが分かってないと理解しにくかったかも。また、パネリスト間の意見の相違があまり深掘りされず、オーソドックスな結論に導くのが早すぎた気もする。

・実習教室(昔のLL教室みたいな感じ)でのセッションもあり、席の前のディスプレイをOnにするとプレゼン内容が表示されるようになっていた。ただし、初日の最初の頃は、その説明がなかったような気がする。

・学会への参加が多いわけじゃないけど、理論的な話やプロジェクト完遂の話よりも、品質改善とか効率改善の話が多かった/増えたように感じた。プロジェクト完遂の場合でも、その過程での創意工夫の話が多かった気がする。QC活動の発表のようなイメージ。

・上記とも関係するが、その発表の際に発表者の会社のメンバーと思われる人が少なくなかった。社内発表に近いようなイメージも。

・ちなみに、日本IBMでは「ITLMC(IBM Technical Leadership Master Course)」の活動、富士通では「PM事例研修会」からの発表が少なくないように感じた。ITLMCは、〔2411〕で他のコミュニティ活動も含めて述べられている。〔2210〕が事例として、〔2408〕はITLMCメンバーの助言との発表があった。PM事例研修会の方は、〔2212〕で事例発表。ただし、どちらも他の発表も関連しているのかもしれない。

・今年気になった発表は、大学PBLでのユースケース作成での分析〔1205〕。ユースケース総数が要件定義時と下流修正工程時で相当違うグループがあったとのこと。そもそもユーザとの確認を行えばユースケース数レベルで大きく違うことがないはずなのにと思って後で訊いたら、ユーザとの確認を行わなかった(ユーザがユースケースを理解できなかった)と。なんかユースケース表現の根本を勘違いしてるように思ったんだけど、こちらがおかしい?

一昨年だったかも、ちょっと気になる発表があった。そちらは企業で実プロジェクトだったので、社内でのチェック機構なりアドバイスのようなメカニズムが必要なのかと感じた次第だ。

それにしてもIT系の発表は、プロジェクトマネジメントの世界なのかソフトウェア工学の世界なのか微妙に感じる時もある。逆に、情報理論めいた発表もあって、むしろ情報処理学会のような場が良いのかなと思うこともあった。まっ、これはしばらく続くんだろうなと思う。

・NTTデータは、CMMレベル5絡み〔2111〕やアジャイル〔1405〕関連の発表もあり、大きな組織(企業)での取り組みとして参考になった。

ちなみに、NTTデータって、いくつかの標準プロセスがある(と思っている)ので、それらとの関係も気になった。フォーラムとかで少し気にしておこうと思うし、情報交換会の類で聞けたら聞いてみようと思う。

・Q&Aで古参と思われる人からの質問があった。プロジェクトマネジメント関係では、なぜか時々遭遇する気がする。今回は、同じ人の質問を2,3度も目にした。なんかその人の質問は、ピント外れというか多少自分の昔のことの自慢話臭がチラホラ。しかも、時間が長い。

で、標準化や知識体系化に関連して、プロダクトラインという言葉がその人から出た。某社での製品化に携わっておりプロダクトラインの視点が必要と。日本の得意分野だとも。

ただ、ふと日本の得意分野として体系化するメリットがあるのかと思えた。各社が創意工夫していることで体系化しにくいということと、体系化することで模倣されるという危惧も。その意味では、日本はプロジェクト管理でも”摺り合わせ”で来ているのかもしれない。ふとそんなことを考えた。

両日とも帰り道は青物横丁へ徒歩で。30年近く前に降りたことがあるはずと少し散策したら、降りたのは品川寺へのためだったと判明した。寺内に少し見覚えがあり、当時のことなど少し時を感じた。

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