つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

QCDバランスと三角グラフ

QCD(Quality:品質 Cost:コスト Delivery:納期)のバランスをどうするかは、プロジェクトそのものの方針やプロジェクトマネジメントで大きな課題だ。また、そのバランスの可視化は、以前から少し気にしていた。 「アジャイルサムライ」のP89に”トレードオフ・スライダー”の名前で紹介されているのがあり、調査。アジャイル系コミュで以下のサイトが紹介されていて、ちょっと使ってみた。 http://www.mountaingoatsoftware.com/tools/project-success

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Web上でできるのが、なかなか良い。ただし、自分の頭のイメージにあるのと少し異なる。 トレードオフ・スライダーを見て、自分の頭に漠然とあるものを具現化できる術がないか、ちょっと考えてみた。グラフ種になかったけ?と思って、(今はあんまり使ってない)DeltaGraphのマニュアルを見たら、すぐに見つかった。”三角グラフ”。もっと早めに気づくべきだったかも。
で、Web上で書けるツールはないか探したけど、すぐには見つからなかった。DeltaGraphなどで書けるのは判ってるけど、、、。ちょっとエクセルのアドオンなどにないか調べたら、そちらですぐに見つかった。「Excelによる統計グラフ表現法」第32回(古田 裕繁 著)を参考にしたマクロのようだ。 http://www.sinfonica.or.jp/kanko/estrela/refer/s16/index.html マクロをインストールするというよりも、ここでの(マクロを含んだ)エクセルシートを利用してグラフを作成してみる感じ。使い方としても、その方が良いかもしれない。

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それを利用して、品質50%、コスト40%、納期10%をグラフ化したもの。マクロのためのセルがあるようで、敢えてそれらはそのままにした。 プロジェクトでのQCDバランスを可視化しておくには、このようなグラフを残しておいた方が良いかもしれない。最初は品質重視と言いながら、テスト工数などを見積もる/見積もらせることもなく日程が延びたりコストアップ。プロジェクトのさらなる上位層は、後の方になって”がみがみ”。雑誌の記事などで、そんなことが少なくないように思う。プロジェクトの開始時に、このようなQCDのバランス図を記録に残しておけば、少しはましになるのではないだろうか。
なお、ここでは作図ツールを利用したが、線の入った三角形の図のみをプリントして、マグネットか何かを上に置いてデジカメ撮影したものを残す方式でも良いだろう。あるいは、それを壁に貼っておく方法。 ちなみに、QCDバランスでは、3つの合計が100%になる必要があるが、グラフ上はそれ以外も作成できる。したがって、100%に制限するようなマクロとか操作方法も考えられる。が、余力があればかな。 また、上で書いたマグネットを置く方法では、厳密にはその中心で3つの合計が100%になるとは限らない。ただし三角形の中なら、(多分)誤差の範疇だろう。さらには、QCD以外の要素を含めるケースもあるようで、4軸なら「Jチャート」と呼ぶグラフもあるようで利用できるだろう。(個人的には3つのバランスで十分とか、3角グラフを複数用意する方式でも良さそうに思う。)

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