つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

山のかなたの雲遠く、、、、

山のあなたの空遠く
「幸」住むと人のいふ。

は、カール・ブッセ作,上田敏(うえだびん)訳「山のあなた」。ここ数年で、自分のデータをどんどんサーバー上に置くことが多くなった。パーソナルクラウドの利用が進んでいるといった感じ。スケジュールやToDo、そしてドキュメントやメールなど。Gmailなどグーグルのツール利用が多いが、他にDropboxとかEvernoteなども利用している。最近は、自炊などのPDFファイルを置いてiPadなどとも連携するようになったので、なおさらそう感じる。

そんな折、ちょっと「山のあなた」を思い出した。数年前からすると格段に便利だし、効率が良い。「山のあなた」になぞらえると、雲の中に”幸”を見つけた感じ。

ただそうは言っても、使い込んだり本格的な作業をしようとすると、思わぬ事や不満が発生する。いくつか箇条書きにすると以下のような事項。

・ファイルをローカルPC上にも置こうとすると、ローカルPCの容量がネックになることが多い。

少し古い機種だと、PCの容量がさほど多くない。クラウド側には膨大なデータを置けるのに、PC側が超貧弱。必要ファイルだけをやりとりすればいいけど、やはりバックアップしたいとか、その都度データをやりとりするには通信時間は気になる。

IMAPメールは便利だけど、、、。

IMAPメールは非常に便利。ある端末で読んでも、別端末での状態も既読になってくれる。フォルダー構成やフィルタも端末間で統一的に扱える。

ただし、どこかの端末で削除した場合に、サーバを含めて削除される。ある端末の容量が少なくてメールの削除を行うと、どの端末でも削除状態となる。IMAPでのメール削除が、サーバー側に影響しない機能があれば良いんだけど、、、、。ちなみに最近は、IMAPでの少し保存が必要なメールは、別のアカウントのメールフォルダに置くことにしている。

・大きなファイルや個数が多くなると、ハングアップとかも発生。

やはり使いこなすと、ハングアップや長時間ビジーが発生してしまう。文書などの場合は、分割して処理するわけにも行かず、ちょっとお手上げ。

・同期への対応。

PCとクラウド、複数PC間でのファイル同期が可能ではある。Evernoteのようなクラウドと各PCとが同期する仕組みもある。小さなファイルなら、サービス起動時にそれらを同期すればよい。ただ、ファイルサイズが大きくなると、トラブルが起きる。最近は、自動的な同期は、ほどほどにするようにしている。

・サポート中止や機能変更への備え。

クラウドのサービスって息の長いものも少なくないけど、あっさりサポート中止になったりするから時々困ってしまう。またバージョンアップで、妙に操作性が変わって使いにくくなることも。使い出す前に代替え案まで考えておけば良いんだろうけど、なかなかそこに頭が回らない。

特に厄介なのが、利用を続けてファイルや項目数が膨らんだケース。サポート中止で他のサービスに移行するためにダウンロードするにも、膨大なファイル容量になる。

クラウドを見越してのデータ整理。

クラウド上に、ファイルやデータを置くことになる。数が少なければあまり気にならないが、数が多いとファイル名などをルール化しておかないと整理やファイルアクセスが難しくなる。すぐに見つからない。ちなみに、ファイル中身の検索なども可能なことがあるが、ファイル数やサイズが多くなると検索時間自体が馬鹿にならない。

サービスによっては、フォルダ作成できるものもある。ただし個人的には、フォルダ作成ができないものも少なくないので、ファイル名で識別できる工夫が良いと考えるし実践している。

パーソナルクラウドは、便利な反面、サービス停止なども含めた対応をある程度心づもりしていた方が良い。最近は、そんな考えのもと利用するようにしている。ちなみに、「山のあなた」の末尾は以下。

山のあなたになお遠く
「幸い」住むと人のいう。

©2005-2022 ほんだ事務所(honda-jimusyo) All rights reserved.