つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

アニメ「鬼滅の刃」に見る合意形成 

何気にテレビのチャンネルを回していたら、アニメ「鬼滅の刃」。地上波だったので、少し気に思って調べたら、フジテレビが、「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」の放送予定を前に、アニメ版を複数回にわたって放送しているとのこと。

www.fujitv.co.jp
実は、昨年の暮れにCS放送で、アニメ「鬼滅の刃」の一挙放送があった。それまで漫画もアニメの放送も目にしたことはなかったが、映画や音楽が話題になってて、時代の流れの勉強にでもなるかなと思って録画再生した。鬼が人間を食べるというので、なんか「進撃の巨人」みたいな感じかな~と思いつつも、絵柄が進撃の巨人よりも子供向け?みたいな感覚だった。

が、背景などの描画がリアルだし、登場人物の動きもスムーズというか微細。(調べたら、主となる制作会社でアニメのためのツール開発チームがいたり、地方だったりも気になって見続けた。)

雪とか林の様子、夕焼け、、、。特にアニメ第1話での、雪の中の鳥を絡めたシーンには、身震いするくらいの感動に近かった。大げさかもしれないが。

 

で、このブログって技術ネタが多いのだが、アニメ「鬼滅の刃」でも結構参考になりそうと思う部分があったので紹介したい。第21話~第23話での、お館様(おやかたさま)と呼ばれる鬼退治の鬼殺隊当主との会議。本来鬼退治をすべき主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼である妹の禰豆子(ねずこ)を連れていることで隊律違反を問われる。言わば、定例の柱合会議(ちゅうごうかいぎ)前の裁判で、シーンの主は第22話。

 第21話 隊律違反

 第22話 お館様 ★

 第23話 柱合会議

柱(はしら)と呼ばれる9人が、ある意味勝手に意見を述べる。隊律違反だから妹を含めて殺すべし、炭治郎をかばった柱の富岡も処分すべし、処罰は後でも良くて弁明させたいとの意見など色々。アニメとして少し面白かったのは、どっちでも良いみたいな考えが二人? 実際の会議でも、この類の人は少なくない。ただしがあって、付和雷同みたいな言い方よりも、気持ち的に中間と言うべき人たち。

 

お館様は、他の情報も持ってて、どちらかというと今回のケースは認めるべきとの考え。しかし、今は柱のメンバーでは罰すべしとの意見が多いという状況。そのため、急進派というか頑固に処罰すべしを言う複数の柱が、お館様に反発する。

お館様が元柱からの手紙などを知らせるが、処罰すべし派は納得しない。そして、処罰すべし派の筆頭が、禰豆子を刀で傷付けて、鬼なら人を食うはずとその場で実験する。人の血で人を襲うとのことで、処罰すべし派の筆頭が自傷して、傷ついた箱の中の禰豆子へ血を垂らす。

結果的には、それでも禰豆子は我慢して、人である筆頭を襲おうとしない。つまり、禰豆子は鬼ではあるが、人は襲わないだろうとの結論に至る。

 

企業の会議とかよりも、ずっと実証的だとは言い過ぎかもしれないが、参考にして良いシーンと感じた。また、前述でどっちでも良い派というか中間派の事を述べたが、処罰すべし派も各自微妙に考えが違う。処罰すべし派と一線を画す人にも、擁護に近い人もいれば、弁明させる程度の人もいる。会議メンバーを二元的にしか考えられずに失敗してしまうケースが少なくないが、その対比として参考になるとも言える。

企業の会議とかだと、製品の実現でA案とB案の対立みたいなイメージある。ただし実際の現場では外部の取引とか社内紛争のとばっちりで、A'案とB'案に大きく変容したり、いつの間にかA案とB案の主張が逆転に近かったりする。中間派は早く製品化すべきと思って、だんだん小田原評定に思えたりする、、、。

あるいはトップダウンで、「スピード感を持って」と「品質第一」辺りをタイムラグがあったり、交互にだろうけど言われて、派が分かれたり検討が堂々巡り、、、。

実証したり、その実証で素直に考えを改める、そんな態度が必要だが、「鬼滅の刃」のこのシーンがそれを思い出させてくれる気がする。

 

上で述べた放送では、以下辺りに放送されるかもしれない。興味があればどうぞ。

    『鬼滅の刃』 第五夜 柱合会議・蝶屋敷編 
     ⑤9月23日(木祝) 19時~21時20分 

 

 

蛇足:今年4月だったと思うが、鹿児島県の小さな会社での毛筆フォントの事を目にした。会話が鹿児島弁のインテネーションで、自分の出身県で気にして見てた。そしたら、少し見たことのあるフォント。鬼滅の刃でも使われているフォントとか。意外なところで「鬼滅の刃」親近感すら覚えた。

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