つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

新型コロナで浮き立ったネットワークインフラ格差

今日(19日)の日経新聞トップは「オンライン初診ほぼゼロ」。政府のオンライン診療強化に向けての、新型コロナ患者への遠隔診療報酬の2倍超に引き上げにも触れていた。いくら新型コロナ対策が急務といえども、報酬を倍にというのにはさすがに首をかしげたくなったし、見出しの”オンライン初診”に拘るのも少し気になった。

オンライン検診と言っても、やはり患者さんと医師とがの信頼関係がある程度築かれることが重要。初診をオンラインでというのには、そこの病院や医師に対する信頼とか、患者自身への信頼感も必要。地元とか紹介状経由でのオンライン初診は納得できるとしても、普及率アップを急ぐ必要はそう大きくないだろうと考えたためだ。そして電子カルテで従来の病歴も初診側に伝わるかも、影響を受けそうでその病院間での情報共有の普及はそう高くないだろうと思えた。

 

逆に、オンライン検診のためには、カメラとかスマホとかネットワーク環境が重要。どこかの公民館とか診療所と大きな病院を結んでの検診も考えられるだろうが、今回の新聞の記事などでのイメージは、開業医と患者自身の自宅を高速ネットワークで結んでのイメージが強い。動画などでのやり取り。それがそもそも全国津々浦々普及しているか???

 

そんなことを考えたら、新型コロナでのワクチン予約騒動を思い出した。高齢者向けの予約を開始したら、電話がパンク。インターネット予約もパンク(だったかな)。電話は、緊急電話のための容量確保まで行う始末。

インターネットの方が予約取りやすいとか、接種種によってはインターネットのみとしたが、これも一騒動で、後者ではインターネットのみとは何事かとの不平に向けて、急遽オペレーターを設けた電話予約も可にするケースも。

インターネットの予約では、子供や孫による入力や、自治体やボランティアで代行入力するのが大きくテレビなどで取り上げられていた。

高齢者がスマホ操作(のネットワーク予約)に不慣れとの言い方が多かったが、個人的に気にしたのは、スマホのネットワーク通信料。スマホでの通話って一定金額払えば使い放題が多い。それに対して、ネットワークはパケット量で料金が変わる。あるいは、その月のパケット量が多いと、自動的に次の料金プランに移行するとか、通信スピードが遅くなったりする。それを考えると、予約しようとしてずっと待たされるというのは、課金が気になってくる。しかもそれは相当長くなるし、複数日になる時も。自宅でのWifi環境ならまだしも、無料Wifi環境に居続けなければ、どんどん課金。そんなイメージになる。ただしがあって予約で待たされても、実際のパケット量はそれほどでないと思われる。それがちゃんと説明されれば安心感になるが、その説明は耳にしなかった。

つまり、高齢者の新接種予約のゴタゴタは、高齢者向けのネット環境がいかにチープかを如実に示した格好になったといえる。しかも、高齢者を当初に見据えたシステムとすべきを、その点を熟慮してなかったように思える。(報道にもよるんだろうが、むしろ地方での施設などを中心とした接種や予約代行を中心にすえるべきだったとも言える。あるいは、首都圏のような所でのネットワーク予約は、事前に家族等の代行を前提としたアナウンスをすべきだったと思う。)

 

実は、4月頃に実家回りが光通信へなるということで、同窓生とSNSやり取り。実際に説明会などが開かれたようだが、2021年になってやっと。言い方良くないけど、地方なんてこんなもんとの認識が必要。上でワクチン予約の事を書いたが、携帯でとかADSLとかで予約しなさいと言ってるようなもの。(フレッツテレビとかもできそう?と聞いたら、何それ状態で、県庁所在市でもフレッツテレビはまだとのこと。CATVに関しては、県庁所在市はOKだけど、県での可なのは数市程度だったと思う。) 

ご存知かと思うが、携帯電話の普及率って、以前は市役所周りに敷設したら、その市全部(の人数)をカバーしてるとして数値化。結局スマホというか今は、約500m四方のメッシュに区切りメッシュの過半カバーできたらそのメッシュ人口をカバーしてると見做せるように変更したが、それまでの人口カバー率は相当水増しされてたと見るべきだ。携帯電話料金を下げるとの政府目標?があるようだが、人口カバーでのスマホ普及率とか光回線の普及なども合わせて考えて欲しいと思う。回線が普及してないのに料金が下がったでは、一部だけの恩恵というわけだ。

さらに言えば、今回ワクチン接種ごときで、緊急通信にまで影響が出た事を踏まえ、(従来の固定電話回線を含めた?)容量アップなども合わせて考えるべきだろう。ワクチン接種”ごとき”は少し語弊あるかもしれないが。

首都圏などのワクチン騒ぎで首都圏の通信料金を安くししたり回線を太くは議論されるだろうけど、むしろ地方のをそれの強化しないと格差はどんどん広がるといえる。地方といっても、県庁所在地だけじゃなくて、それ以外を含めた検討が重要そう。

 

携帯電話が過疎地を救うなどの話題はあった。今だとドローンで僻地への輸送が技術的には可能。ただし、前者は今の人口カバー率などでほんとに進んだか見るべきだったといえる。また後者とかでは、空中権の事などで、全国に行きわたるかを議論すべきといえる。どちらも実証実験などでバラ色っぽく言われる/言われたけど、課題が少なくない。

 

論文問題として、老齢化社会とかの社会課題を題材にされることがある。自分の身近なものとしては、技術士二次試験での論文が該当。情報工学部門では、過去に、被災地に対する情報通信を課題にしたものが出題されている。しかし、携帯電話やスマホの普及を前提として回答を記述するだろうが、そもそもインフラ整備が立ち遅れていたり、スマホの操作性で高齢者等がネックとなることの課題が大きい。そんな課題を踏まえた設問もあったほうが良いと思える。設問というか、技術者の方の問題意識と表現した方が良いのかもしれないが。

今回の新型コロナで課題となった、リモート検診、高齢者見守り、自宅療養での急変、リモートワーク、リモート教育などに全部に通じると言える。なんか新型コロナが、技術者にも宿題を提示。そんな風に思えた。

 

 

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