今日は、青年技術士交流実行委員会(青技)でのディベート大会への参加。ディベートテーマは、「小学生のスマホ利用は禁止すべき」か否か。
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今までディベートは2回開催されてて、いずれも参加した。そのため、多少心待ちにしてたイベント。参加の度に新しい発見というか、正確には新しい”パニック”が発生して、勉強になった。懇親会とかで、事務局の人に言ったことも含まれてるけど、一部追加とかしてメモの形で残しておく事にする。(ただし、どうも上手くまとめきれてない。後日、加筆修正するかもしれない。感想・反省・提案を区別した方が良いかもしれないが、どうもそれらが気持ち的に不明瞭なのが背景かと思う。)
まず、今回は少し積極的に考えてみようとなったきっかけが、放送大学での「技術者倫理」。
テキストが書店などで販売されている。
この放送の第15回(最終回)に登場したのが、NASAのスペースシャトル・チャレンジャー号での爆発事故の事例で取り上げられるボイジョリー氏。彼は、低温でOリングが性能を満足しない旨を、会社やNASAに述べる。本件は、技術者倫理の本には定番的に取り上げられている事例だ。
彼とのインタビューが紹介され、大学の単位取得のことが述べられた。たくさんの単位を取ったが、反省しているのは「コミュニケーション」の単位を取得しなかった点。彼は、公衆への説明などで、コミュニケーションは必須とし、書き方、ディベート、、、、全ての科目を取るべきだと言った。まっ、さすがに全ての単位取得は難しいなと思いながら、”ディベート”が出てきたのが少し驚きだった。
ある意味、座学で「技術者倫理」を学ぶのはよいとして、倫理を実践する時にコミュニケーションが必要となる。それを学ぶとか、実践の素養を身につける意味で、ディベートは非常によい場と感じた次第だ。
なおちょっと残念なことに、この放送大学のテキストには、ボイジョリー氏とのインタビューは掲載されてない。
また、たまたま目にしたのが、CS放送での「ディベート入門 実践編」。以下のYouTyubeで見ることができる。審査の人の紹介部分など若干放送と異なる部分があるが、ディベートそのものの部分は放送と同じと思う。
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少し蛇足的だけど、本CS放送は、interlocalmedia(インターローカルメディア)というところの「政経マネジメント塾」という番組での回。九州というか鹿児島に関連する内容が少なくないし、今回の「ディベート入門」は、東京世田谷にある”岩崎学生寮”という鹿児島県出身のための学生寮での撮影。知り合いにもこの寮出身の人がいて、身近に感じた番組だった。
基礎編や実践編の放送で、少し勉強した。聞いてる分には理解したつもりでも、今回のテーマに関して自分で発表できそうかとなると別次元。放送自体は参考になったが、以前での経験もあって、ディベートは実践も合わせて勉強/レベルアップする必要があると改めて認識した。
さて、今回の青技でのディベート大会のテーマは、「小学生のスマホ利用は禁止すべき」か否か。参加前提で、ネットでの検索や新聞のスクラップなどを色々調査。自治体レベルでスマホを禁止しているところがあって認識を新たにしたり、スマホOSのシェアの再確認などは役だった。
青技のディベート大会が少し難しいのは、賛成/反対の立場の両方をこなす点。つまり、最初禁止すべきとの意見を述べた後で、次の回は禁止すべきではないとの意見を述べる。そのため2つの結論になるように、資料の振り分けというか、共通の資料と、賛成時に特に協調したい資料、反対時に特に協調したい資料をグルーピングした。
また、賛成と反対の両方の立場で発表するので、自分自身の気分を変えるために、一旦”変装”。実は前回は、ネタは仕込んでいたけど、実際に行わず懇親会で披露した。100円ショップでの変装グッズ。ただし、スポンジの鼻とグルグル図のメガネで、芳しく無かった。今回は、”付けひげ”。シールタイプで東急ハンズで売ってた。あとは、カーディガンを替える程度。(しかし、そんなことよりも、自分やグループでの論理的な組み立てや発表の仕方に労力を費やすべきだったと、ディベートが終わってから反省。)
会場では、以前の大会にも参加した顔なじみの人がポツリポツリ。係の人がグループ案を提示して、グループ内で議論。うちのグループは、最初は賛成(禁止すべき)側。
結論から言うと、最初の賛成(禁止すべき)側でも負けて、次の反対側(禁止すべきではない)側でも負けてしまった。つまり2敗。その後の懇親会などで、同じグループの人を含めて冗談っぽく愚痴ったりした。逆に、反省すべき事項もあるし、大会の運営的なことにも少し意見が出た。
で、チームとしての敗因と言えるかは?だけど、自分なりに考えたり他の人の話を聞いて事を踏まえて、経緯を。
1)自分たちのグループには、以前の青技ディベート参加者2人と未経験者2人。発表者をどうするかということになって、未経験者の人にやってもらうことにした。論理の一貫性を重視して、主となる考えに筋が通っていた方が良いとの考え。また、勉強を兼ねてるので、未経験者に体験してもらうのがよいだろうとの考え。
2)そのこともあって、我がチームは発表者が主となって発表し、他の人はサポートする考え。
3)対する相手チームは、最初の口火を切る人は決めてたものの、後は各自分担。
特に2回目の時は、相手チームは最初の口火を切る人が仕切って、分担を上手く回してた。
採点の人が陣形になぞらえて、相手チームが鶴翼(かくよく)の形でこちらが直線的と言ってたが、そのようなぶつかり合い。(ただし、こちらが2敗。)
4)今回の自分なりのパニックは、当初の発表(ディベートでは立論という)は6分だったが、発表者が早めに「他の皆さんから何かありますか?」と言われたこと。
正確には覚えてないが、3分程度過ぎで周りに振られたように思う。発表者と同じ事を再度述べるのも良くないだろうし、逆の意見を言うのはさらに良くない、、、。チームとして無言状態がしばらくあって、さらにパニック。
賛成と反対の立場を入れ替えた2回目でも少し似てしまい、2回目でも少しパニック。
一応自宅からストップウォッチを用意して、計時したんだが、、、。グッズなどよりも、立論での論理構成の組み合わせや時間配分なども事前検討すべきだった。(多少はやったんだが、結果的に不十分すぎたと言うこと。)
5)チーム編成は4人。なお、アドバイザーがいてコメントしてくれた。最初は事務局のアドバイザーと思って聞いていたけど、どうも実際は発表したい人だったようだ。その人とは懇親会等で話しをして、こちらのチームの一員のような意見を言ってくれた。運営として、その辺りははっきりしてた方が良かったかな。
6)今回のディベートの流れは、立論、尋問、反駁、結論という流れ。
相手チームは、結論時に、(他のディベート大会などでは時々行われてる)反駁2のような論理構成だった。特に相手チームの賛成と反対の立場を入れ替えた2回目は、そのものだった。
我々は、相手チームが勘違いしており、こちらが有利と思った。しかし採点者には相手チームの発言を理解していると評価され、高得点だったようだ。どうも懇親会で1人の採点者に聞いたら、採点者には採点用のチェックシートが配られてて、それに基づいて採点したそうだ。なので、「結論なのに反駁でまとめるのはおかしいでしょう」とこちらが言っても、採点用のチェクシートに則ったとしか返事できないと。分からなくもない。
逆に考えてみたら、そもそもディベートって、採点に対する意見の場がない。スポーツだと審判に対する不服のチャンスや観客のブーイングみたいなのがあるが、ディベートでは制度としても大会も定着してはいない。特にこの青技のディベート大会って、賛成と反対を入れ替えたりして独自的な部分もある。当日集まったグループがその場で立論等をまとめる必要があり、集中的なチーム形成や合意形成も独自的と言って良いだろう。その意味では、運営としても暗中模索的な面もあるので、色々意見を聞いて行くのが良さそうに感じた。
大会通じて提案的なものをまとめると以下の事項。
・ルールの提示
若い人の参加を促す意味でも、青技ディベート大会のルールを、ホームページや案内メールで提示した方が良いと考える。大会の直前に、口頭以外に紙に書いてものの掲示がOKかとか、資料を事前配布するが相手チームの資料も利用(引用)しても良いかなど。
当日での確認する事態も発生するだろうが、今まで明確になった事項を整理しておくだけでも有益と言える。
・チーム編成
発表に参加したい人がいて、説明があったか疑問だけど、チーム内議論に参加してきた。最初に参加したい人によるチームメンバーを決めて、ディベートで発表する人はその中で議論するなどが良さそうに思った。
本大会は、ディベート自体に参加したい人と観戦の人に大きく別れる気がする。ディベートに参加したい気持ちで来たのに、発表チームに加われないと不満も出てくるように感じた。
・中継
地方会員のために中継してみるのも良いかもしれない。録画ではなくて、当日のみの流しっぱなしが良さそう。レポート出すとCPD付与するとかを考えても良いだろう。中継による意見とかは次の参考になるかもしれない。
・ディベート後の意見交換
ディベート大会での採点に対する意見や、観戦の意見も参考にした方が良い。また、ディベートでの勝敗と、実際には賛成・反対のどちらが良さそうかも簡単に議論してもいいのかもしれない。後の方は、時間の関係で挙手程度になってしまいそうに思うが。(挙手の件は、今までも1,2回実践している気がする。)
いずれにしろ、技術者倫理というかそれに関係するコミュニケーションや説明責任の模擬体験という意味で、本大会は継続して実施して欲しいと思う。また、他にない試みもいくつか実施しているので、より良い大会に改善して行って欲しいと考える。