つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

新型コロナ 東京都の感染者情報について考える

本ブログでの、「新型コロナ 感染者分析について考える」の続編というか詳細情報。

まず、厚生労働省の日々の新型コロナウイルスなどを含む情報は以下。2020年4月分。
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/houdou_list_202004.html

この中で「新型コロナウイルスに関連した患者等の発生について」の知りたい日のところをクリックすると、人数や都道府県、市(町村?)の情報へジャンプする。情報先が都道府県で統一されて無い件は後述するが、そこで東京都とかをクリックすると東京都の情報へ行き着く。東京都の問題はクリックしてもらえれば分かるけど、直近では職業辺りがブランク。

少し前の3月21日の東京都のデータは以下。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000610746.pdf

ちなみに3月25日が以下。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000613048.pdf


21日ではそこそこ埋まってるが、25日でかろうじて書かれてるのは院内感染である旨程度。この後辺りから、直近のそれに似て、ブランク部分が急激に増えている。

大阪府や神奈川県でも、ここまでブランクは増えていない。報道発表というか公開情報なので、東京都自体はデータが整理されて埋まってるのかもしれないが、公開情報だけ見ると危機的に思える。感染経路が不明とニュースでは言ってるけど、(この公情報の限りでは)感染経路を、調べたり情報をまとめる人と時間が足りない状況に思える。

 

ちなみに上で述べた都道府県と市(町村?)の関係。厚生労働省の発表の日付経由でもいいけど、例えば神奈川県だと以下のページ。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ga4/bukanshi/occurrence.html

横浜市発表とか川崎市発表などに続いて、「神奈川県平塚、厚木、鎌倉保健福祉事務所管内在住」みたいな表現があり、そちらは県の発表としている。つまり大きな市は独自で発表して県にリンクがあるという格好。”保健福祉事務所”は県内に4つあって、複数の(横浜市などと比較すると)小さな市町村を統括している。また、詳しく調べてないけど、”保健福祉事務所”は都道府県で少し呼称が違うみたい。

市の間や保健福祉事務所でフォーマットが統一されたないとかスキャンだけなど、細部では改善した方がよい事項が少なくないけど、県としてまとまってるし、それなりの情報が記載されている。(感染者の少ない県では、時刻の分レベルで立ち寄った場所が明記されていたりする。)

大阪府での直近でも、細部が分かりにくい事例もあるけど、東京都ほどブランクだらけということは無い。

どうもその辺りが、東京都の問題と思える。また、東京都は、23区それぞれに保健所、八王子市と町田市、そして多摩府中保健所などのようにいくつかの市町村を括ったのが6つある。例えば特定の区がブランクとかだとそこが逼迫してると分かるけど、23区全て、あるいは市町村を含めた全てに影響していると思えるわけである。逆に普段でもインフルエンザ等に対処するため、それなりのデータ処理の効率化や自動化を進めているだろうが、それらもそこそこ機能してるか疑問になるくらい。区の庁舎はそれなりにでかいと思えて、全部の区がそんな状態というのがにわかに信じられないくらいだ。(庁舎と保健所は関係しないのかもしれないけど。)

蛇足的だが、北海道の状況は以下のページ。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/jsk/opendata/covid19.htm

4月4日までの感染者数の図をペーストしておく。

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詳細情報とこのカーブの図を見ると、少し安心感が出てくる。ちなみに北海道知事が休校を要請したのが26日で、実施が27日から。知事が非常事態宣言(今や北海道版非常事態宣言というべきかも)を発表したのが28日。図のチャートで、その辺りから患者数が、横ばいから一部高くなってる所はあるけど、直近では下降気味になってる。

休校や非常事態宣言の時の非難めいた記事などもあったようだが、うまく機能してると思われる。しかもその直前では、逆に道の発表が大まか過ぎるとの指摘があって、それで細部情報公表するようにしたはず。まだみち半ばだろうけど、うまく行った事例を考察する上で、そのような市民等の意見や情報公開の仕方も頭に隅に入れていたほうが良いと考える。

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