新型コロナでの緊急事態宣言解除の絡みもあって、住んでる神奈川県の感染者状況を分析してみたので、ちょっと紹介。
神奈川県自体では感染者が多くて、県としては緊急事態宣言解除は難しいだろうけど、○○市とかは大丈夫では?みたいな気持ちもあってのこと。むしろ、神奈川県でも自治体としての「町」や「村」はあり、感染の少ないそれらから解除していくことは悪くないだろうと思っている。その確認も意図してのこと。
神奈川県の分析の前に、横浜市の話。以下が結構まとまってる。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/koho/topics/corona-data.html
トップページ > 市の情報・計画 > 広報・広聴・報道 > 広報・刊行物 > 市のトピックス > 横浜市内の陽性患者の発生状況データ・相談件数
非常に良くまとまっている。なお、実は当初、横浜市内の区レベルの分析も実施してみようかと思ってた。しかし、本ページ経由では累積感染者数の時系列、あるいは日毎の発生数が辿れない。また、後述する神奈川県での発生者が少ない市町村と同じであるが、結局感染者の発生が極端に少なくなった場合は、発生者のトレンドカーブを描くこと自体、労あってほとんど益なし。なので、横浜市内の区レベルの分析は、このページのスナップショットを取って、1週間後などに比較してみることにしている。
さて、神奈川県。そもそもの元データは、以下から。市町村ごとの感染者数が表になっているのは、
https://www.pref.kanagawa.jp/prs/index.html
辿ることで、日々の報道発表があり、そこでの「新型コロナウイルス感染症による新たな県内の患者確認について」で、日々の感染者数の状況や感染者の情報がある。発表は4月15日以降の版(発表日)からだが、毎日とは限らないこともあって、以前は少し粗め(1週間毎など)にして、直近では毎日のデータを取得。発表がなかったり間引いた所を補完して日々の発生者数を求めたりして、累積のカーブと日々発生のカーブを描く。それらを各市町村ごとに。
日々発生のカーブは以下のような感じ。
数では横浜市が多い。他の市でいくつか発生して、時々小田原市の発生と、直近での複数市での発生が気になるところである。なお、小田原市の件は、5月7日に感染者が(4月30日の12人から)33人になっており、補完していることでグラフ的に連続して何人か発生している格好になっている。
また、もっとも最近=グラフでは右端の5月14日の横浜市の急増については、普段は患者概要が記述されるが、横浜市発生分に関しては記載がない。発表が12時時点のものなので、変更される可能性もある。(可能性は極小だろうが、連絡ミスなどで人数そのものが間違ってることも考えられなくはない。)
政府専門家会議の目安「直近1週間の新規感染者数が人口10万人あたり0.5人未満程度」に対する考察も、行ってみた。まず、人口の情報は以下から。令和2年4月1日。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/x6z/tc30/jinko/jimkotosetai.html
神奈川県、横浜市、川崎市での、1週間での目安がそれぞれ、46.02 、18.77 、7.68。1日にすると 7人、3人、2人となる。川崎市の1日は、計算上は1.1で、表などのウォッチでは1人でも良さそうと思える。大きな市でそれくらいなので、他の市町村は、日々発生での注意は、もう発生するかしないかが分かれ目になる。逆に、実際はゼロが相当続いている。
なお、示したPDFの日々発生の表では、県では日々で7人以上、市町村では3人以上を色付けしている。日々発生の表での備考に記載しているが、補完およびその後の四捨五入の関係で、実際の発生数と一致しないことがある。傾向を見るためとの前提で、図や表を見てほしい。
あくまでデータ上は、横浜市、川崎市、そして時々発生している小田原市、直近発生の平塚市は注意市と言える。逆に他の市町村は、それなりにクリアしている。そんな感じではないだろうか。あくまでもデータの数上。
情報系の技術者が該当するかもしれないが、データ処理や統計とかに興味があれば、自分の住んでる県などの分析を行ってみるのは悪くないと感じる。今回は統計とは程遠いが、全国レベルのオープンデータを元に、近似曲線を出したりすることも考えられる。また、都道府県、あるいは市町村レベルで、感染者情報の出し方が大きく異なる。数値的なこともだし、症状的な記述、そして情報更新も大きな違いがある。それらを肌で感じるのは、例えば次の感染波、あるいは全く別の感染発生時での対策を考えておく(思い浮かべる)のに役立つと考える。
<<追記 2020/05/17>>
神奈川県の対応と比較する意味で、少し紹介。
今回、「岐阜県」は、緊急事態宣言を解除された。全国に向けての緊急事態宣言が4月16日。実は、それからちょっとして目にしたのが、以下の岐阜県のクラスター分析の図。18日現在となっている。個人的に思い浮かべるのは、緊急事態宣言を受けて対策の1つとして作成した、あるいは厚生労働省のクラスター班のサポートなり助言で作成したような気もする。ただし、たった2日の期間しかないので、宣言受けて作成というよりも、それ以前から分析を細々?とやっていたように思える。
ここまで分析できていれば、感染者数の増加が抑えられるかとか、具体的な業態等への対策が示されてあったり市民や業界団体が自発的に実施していれば、解除の方向に説得力がある。
なお、さっき調べてみたら、もうファイルそのものも作成した旨の記述も無いようだ。相当詳しく書かれており、役目を終えたとの判断だろう。そのため、ここでの提示は相当ボカシを強くしている。
神奈川県も、東京都の方を向くよりも、神奈川としての対策や分析を行うべきというのは、この辺り。岐阜県ほどの細部の分析でなくても、どんなクラスターが発生してるか、その規模(人数や全体的な割合)などを分析して、その対策を考えるべきだろう。本当に、東京都からの、あるいは東京都への通勤か関係しそうな感染が割合的に大きいか。 個人的には、院内感染の割合が少なくないと考える。
ちなみに岐阜県の、この図での感染者数は137。神奈川県の5月16日発表時の残感染者数は、累積感染者数から退院と死亡者を引くと358人。1,235 - 814 - 63 = 358。作成作業ができるはずと思うが、マンパワーで無理なら新規感染者だけでもやっておく価値はあると考える。
知事の「首都圏一帯」が、どうも分析や対策の視点に乏しいと感じて、ついつらつらと述べてしまった。
<<追記 2020/05/17 -2>>
岐阜県終息宣言での記事に、最後に残ったクラスターの図も書かれてた。岐阜新聞(Web)の2020年05月06日。
https://www.gifu-np.co.jp/news/20200506/20200506-237950.html
都道府県知事は、見習うべきだろう。解除云々や解除に向けての数値目標などの先にある、終息宣言そのもの。(解除なども含まれるだろうが、)そのための徹底調査と、2週間というコンセンサスある期間後の宣言である。新型コロナって未知な部分あるから、2週間に少し異議を言いそうな人はいるだろうが、そんなのは重箱の隅と言える。
<<追記 2020/05/19>>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200519/k10012436331000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_047
海外ニュースで相当前に、接触感染の関係で、「指紋認証」を取りやめたというのを目にした。少し見知った所で認証に使用してて、気にはなったが、そこは認証直後にスプレーが置かれてるので、それを守る人が多いだろうと思った次第。