つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

三人寄れば文殊の知恵が、、、、、まとまらない

ここ1,2週間、数人での作業が発生した。イメージ的には文章の手直しの作業で、時々意見の相違が発生した。「てにおは」の修正のような(ある意味)微々たる事項から、論理的な文になってないなど様々。ある意味そのための作業であり仕方ないし、話すことで妙案に進展したものもあったが、各自の考え方の相違で多少平行線のものがあった。似たような作業でのここ1年くらいでは、ヒートアップ度やその回数が一番大きかったかもしれない。

で、ふと思い出したのが、開発時の会議や設計ドキュメントのレビュー時の意見対立。直接レビュー会議のような場での意見提示でなくても、トラッキングシステム(大昔なら紙に記載してその紙を回覧しながらコメント記入)でも相反する意見が出ることがある。書いたのがAさんなら、修正案がBさんから出て、別修正案がCさんから出たり、元々のAさん記載が良いとの意見が出たりする。

ものの本ではレビューの必要性などが書かれているけど、レビューの必要性よりもどう収束させるかが悩ましい。その部分は、大昔から良い解法がないように思う。ある意味ではレビュー技法などが発展してないとも言えるし、レビューを実施している人達はレビューに関する記事や論文を余り当てにしてないのかもしれない。より正確な表現を使えば、レビューを実施している人達にとって参考となる記事や論文は少ないのかもしれない。

もちろん、論理的/合理的な説明で収束したり実験検証に委ねたりするケースもあって手法もあるが、リーダー格が「えいやっ」で判断せざる終えない局面もある。平行線になった場合、そのような判断を誰かがしていかないと、効率が悪くてしょうがない。

ここ1,2週間での作業で、意見の相違が多かったのにそれなりにまとまったのは、リーダー格を明示的に決めていたことだったろう。当然と言えば当然だけど、今回は皆さん意見がばらけるかもとの意識があったせいかと思う。

ちなみに、”インスペクション”手法での役割として”モデレーター”があるが、ここで言ってる意見集約での責任者という意味では、個人的にはちょっと違うと認識している。ファシリテーターに近いし兼ねることが出来るかもしれないが、合意形成を素早く行ったり判断が必要な点でも少し異なるように思える。なおここでのリーダー格がちょっと大変なのは、せっかく合意形成が出来たり自分が判断したのに、特に上司や他部門によりひっくり返される時があること。しかし、まっ、こればかりは仕方ないと割り切るしかない。

さて今回の作業などで、つい思い出したことがある。2つのプロジェクト。片方は開発ドキュメントもそうだが、特許明細とか営業やユーザ向けの文書チェック作業も発生。冒頭で書いたような「てにおは」の修正にも神経を使ったそうだ。(大変だったろうが、後述するプロジェクトよりは遙かに精度が高いことになる。)

もう一つは聞きづてのもので、納品物のドキュメントに対して「○○が書かれてないから記載して欲しい」とか誤字脱字の指摘を行った人の話。委託先から一言あってPLも誤字脱字“ばかり”指摘するのもと、修正に消極的。他の件もあって、システム化への意識のもなく横柄なPLとの印象もあって、結構プロジェクトそのものに幻滅したとのこと。本人は、不明な未記載ロジックの記載が主で、誤字脱字はついででの指摘のつもりだったのだが。

結局、納品物はそのままOK。検収とか支払いが絡むからだったのかもしれないが、何のための納品チェックなのか??? 修正などを見越してないやり方だったと言える。案外、請負や丸投げでの根本的な問題なのかもしれない。

つまりレビューをすることの必要性などが記事や論文で書かれているけど、それをそう反映するとか、契約と絡めて議論していかないと/組織体で解決策を持っていないとメリットが生まれない。逆にレビューをやっているところは、反映方法や契約と絡めた対処法をより向上させるべきだろう。

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