つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

「七人の侍」創作ノート

黒澤明の映画「七人の侍」の創作ノート。 PMI日本フォーラムの帰り、少し飲みながらの夕食済ませて書店に立ち寄って購入。どこかの案内で見かけて気にはしてて、頭の隅にあった本。手に取って見て、格好面白かったので購入。(少しアルコールのせいで赤ら顔になってて、店員さんに悪かったかな。) 本自体は、2冊構成。その2つが透明ケースに入っている。片方が創作ノートそのもの(を書籍化したもの)で、もう片方の薄い方が、野上輝代さんによる解説。野上さんは、黒澤監督作品の記録やマネージャーをつとめた方。 創作ノートって、登場人物などが結構整理されて書かれていたり、ストーリーもそれなりかと思っていたけど、非常に断片的。特に、ノートが6冊あるけど、1冊目がそう。解説での補足やノートの方にマークや番号などがあるおかげでどうにか”解読”できるイメージ。逆に、ノートには参考にした小説とか別映画作品に関連するような事項も書いてあり、黒澤監督が当時考えていたことを身近に感じることができる。 解説では、映画でのシーン番号や映画の1コマも所々にあり、映画そのものとの関連が分かりやすいようにしてある。 ちなみに5冊目と6冊目がコンテ。

f:id:honda-jimusyo:20200916120238j:plain f:id:honda-jimusyo:20200916120242j:plain f:id:honda-jimusyo:20200916120246j:plain f:id:honda-jimusyo:20200916120235j:plain本とかケースの写真が左。ただし、写真での本のケースの入り方が正しいというか、書店での入り方と同じかは自信なし。 本「創作ノート」にちょっと興味を持ったのは、映画作成とソフトウェア開発/プロジェクト管理が似ていると言われることがあることにも関連している。また、「七人の侍」って、結構プロジェクト管理の側面で参考になる。正確には”日本的プロジェクト管理”と呼んだ方が良いかもしれないが。(これらについてはいつかまとめないと、、、。) 映画監督が映画を作ろうとしてどう考えるかとか、その思考過程を知ることができればと考えた次第。あるいは、映画「七人の侍」での各自の役割などを、黒澤監督自体がどう考えたかを知ることができればと思った次第。 その観点では、創作ノートの記述は非常に断片的な情報であることが結構驚きだった。そしてそんな情報や色んな人とのやりとりで、昇華していくんだろうと考えた。その集大成が脚本なり台本。 システムとか製品も、最初の設計段階では非常に混沌としている。ある意味、断片情報だらけ。個人的には、それらをまとめてドキュメント化しておくべきだと考える。逆に、細部のドキュメントは不要(必要なものだけで良い)。 映画「七人の侍」とか黒澤監督に興味があれば、ちょっと見てみてはと勧めたい1冊。

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