つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

”スクラム”の原典「ラグビー方式による新製品開発競争」

アジャイル開発”スクラム(Scrum)”の発端として有名なのが、「新たな新製品開発競争」という論文。竹内弘高,野中郁次郎. 「DIAMONDハーバード・ビジネス」4-5月号1986。さらに元は、その英語の論文。

 

ふと、そもそも野中氏や竹内氏が、何を問題視したり参考としたのか気になった。また、スクラムが日本での開発手法を参考にしたとのことで、もしかしたら現在のスクラムよりも参考になることがあるのかも知れないと気になった。

 

論文以外に、少し探して見つかったのが、左の本。その第9章に「ラグビー方式による新製品開発競争」として掲載されていた。スクラムを組んで開発を行うなどが書かれている。

 

この論文で分析した企業とその製品は以下。

 

富士ゼロックス(FX-3500)

キヤノン(PC-10、AE-1、オートボーイ)

ホンダ(シティ1200CC乗用車)

日本電気(PC-8000)

 

 

 

f:id:honda-jimusyo:20200916120423j:plainその論文での図の1つが左。従来は、各フェーズが分断されている。それが、分析したケースの場合はフェーズが重なっていたり、メンバーの一部はいくつかのフェーズに参画していることで競争力を増していると分析している。

 

ちなみに、フェーズでの重なりを、富士ゼロックスでは”サシミ(刺身)”と表現している。”サシミ(刺身)”は、現在のスクラムの本にも出ている。

 

ふと、フェーズでの重なりや、メンバーの重なり、あるいは広範囲の部署メンバーを巻き込んだプロジェクト遂行は、現在のスクラムでも参考にしても良いのではないかと感じた。

 

 

今となっては、論文そのものも20年位前のものになってしまったし、上で述べた製品群の開発当時を知っている人も少なくなったかも知れない。特に、現在のスクラム等を議論する人達には皆無だろう。しかし、日本の製品開発方法が参考にされたことや、その開発方法を知っておくことは非常に有意義と考える。

 

 

なお、示した書籍「製品開発革新」では、延岡氏の”マルチプロジェクト組織への変革”の論文を含め、日本の開発手法がいくつか分析されている。その点でも参考となる事項が少なくない。

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