つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

「医療用ソフトウェアを巡る最近の規制動向等について-その現状と課題-」受講

今日は、「医療用ソフトウェアを巡る最近の規制動向等について-その現状と課題-」という講演を受講。医療機器関連の話で、自分の場合は関わりの少ない分野。タイトルにもある、医療用ソフトの規制動向が気になって受講した。

以下は、主催者での開催一覧。(しばらくしたら、今回の講演はなくなってると思われるけど。)

http://www.pmrj.jp/kenshu/html/frm050.php?cate=5

会場に150人位いただろうか。医療用ソフトウェアに関する研究会(経産省、ただし文科省厚労省とも連携)や日本経済再生本部での話、そして薬事法改正との絡みが大きな柱だった。

なお、技術的な話し以外に、一部健康ネタとして興味のある話も出た。(国立循環器病研究センターでの”かるしおレシピ”。センターでの減塩料理のレシピで、25万部売れたそうだ。)

結構断片的だけど、興味を持った事項。勘違いや聞き違いはご容赦。

・医療機器に関連する3団体(JAHIS、JEITA、JIRA)のことを、3Jと呼ぶ。講演では”トリプルJ”と言ってた。保健医療福祉情報システム工業会 (JAHIS)、電子情報技術産業協会(JEITA)、日本画像医療システム工業会(JIRA)。

・ソフトを組み込みソフトとスタンドアローンソフトに分けているが、後者は汎用ハードを利用したソフト。汎用ハードはPCやスマホで、外付けに専用ハード(医療機器)がつながってもスタンドアローンソフトと呼んでいる。

・さらに単体ソフトという言葉もあり、スタンドアローンソフト+組み込みソフトでインストール等により医療機器と一体となるもの。

・単体ソフトの扱いが、他国と比べ、日本は規制が不明確だった。結果的に、スタンドアローンを含むソフトの開発が遅れている(国際的な競争力にも影響)。なお、電子カルテは、ここでの規制とは別扱い。

・規制との関連を考える意味で、極端な例はスマホでの万歩計など。それらが医療行為と結びつく時に、どう考えるべきかなど。

・今後の日本での規制整備の方向性としては、IEC62304がベースになると考えられる。

・「欧米の医療用ソフトウェア規制の外観」を講演したソニーの鴛田氏は、元は富士フイルム。欧米での審査対象の技術文書のことが話された。FDAでは(リスクにおけるクラス分類に依存するけど)、テストケースを1件単位で文書提出。

・講演での説明やQ&Aで、医療点数とか(医薬品などでの)共済制度との、関連や同じような仕組みが必要かもとの話/意見が出た。

・Q&Aでは、宮城県での震災に関連しての230万人レセプロクラウド化の件が事例として紹介された。

・医療機器ソフトでのアップグレード(での規制)に関しては、製造業とサービス業にまたがる事になるので留意。

・欧州の認証機関制度がしっかりしている(金銭的に回るようになってる)件や、日本でのマイナンバー制度との関連も話題となった。

・Q&Aでは、医療データの蓄積や活用に関して、日本の方が個人情報の関連かデータが集まりにくいとかデータ収集/提出に消極的な側面の話も出た。

・個人的にはQ&A自体は良かったけど、途中から会場からの2人程度か委員会メンバーらしき人の発言が長いし多少内部ネタ(を臭わすような)話だったのは、勿体なく感じた。筋道だった議論にならず断片的すぎたため。

会場では「知っておきたい薬害の知識」などの本が、割引で購入できた。結構食指が動いたけど、そうお金の余裕があるわけでもないので断念。ちらっと内容を見たが、良くまとまってると思った。(可能性は低いけど)薬害などで調査することがあったら、図書館で探すとか購入しようと思う。

なお、講演を聴きながら、日本で規制が曖昧ならソフトを出したらどうなったかと思った。質問しても良かったろうけど、愚問っぽくて止めた。帰って薬事法を調べたら、製造と販売で(それぞれ)罪になる。

さらには、医薬品などでの医療現場での臨床試験自体が結構高いハードルで、少し緩めようとする/したとのことがネット記事などに出ていた。それを考えると、医療用ソフトウェア(正確には、医療用かグレーなソフトウェア)を開発しても病院などでの実験で引っかかってしまっていたのだろう。実験なり臨床時に、病院の先生が「これは医療用ではない」とか「医療用とは言えない」と言いにくい/言いにくかったのだろう。ましてやソフトを使用して「医療用ではない」とは言い切れない。日本でのグレーなソフトウェア開発が二の足を踏んでたのは、その辺りが理由に思える。

結構充実し、勉強になった半日だった。

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