つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

全日空機 胴体着陸 T&G(タッチアンドゴー)のチャレンジ

今日のニュースのトップは、全日空系列会社の航空機が胴体着陸したというもの。夕方、駅構内の新聞売りの見出しで見たとき「何が起きた? 事件?」と思ったが、前輪の故障とのこと。

NHK等の映像で、前輪を出すために、T&G(タッチアンドゴー)にチャレンジする様子が映った。

T&G(タッチアンドゴー)自体は、自宅が厚木の飛行場が近い事もあって見慣れたもの。航空関連の映画やドラマにも結構登場するし、ドキュメンタリーや航空機の紹介映像などで目にする事も多い。

が、それらは、軍用機。特に多いのは、空母での訓練での映像。今まで、T&Gは空母に着陸する時に、ストッパー(?)が機能しなかったときに、離艦するための訓練と思ってた。厚木飛行場で時々夜間訓練で、このT&Gを行うが、日によってはうるさくてしょうがないことがある。エンジン音が小さくなったかと思うと、すぐに大きな音に変わるので、精神的にも良くない。

今回は、そのT&Gを、前輪の故障の回避のために使ったとのこと。自分自身、民間航空機のT&Gを目にしたのは、初めてだと思う。自衛隊出身のパイロットだと実施経験は豊富だろう。またセスナなどでの訓練も行うと思う。が、実際の民間航空機を使った訓練は、行うんだろうか? 少なくとも、各パイロットが全機種ともやっているとは思えない。特に今回のはプロペラ機。このご時勢、珍しいといっても良いくらいだ。

ちょっと変なたとえだが、昔映らない時にTVを叩く事が(広く?)行われていたが、それを思い出した。ただし、回避できるかもしれないとの可能性としては似てても、T&G、さらには乗客を乗せてのT&Gとなると訳が違う。

しかも今回は、T&Gの後に胴体着陸パイロットはもちろん、航空管制官や消防などの空港関係者の心労を思うと頭が下がる。

大丈夫と確信しながら実施するための、技術的な根拠の明示、複数選択の用意、訓練、技能、関連部門の協力などについつい思いをはせた。先覚的なことの実施やリスク対応のためには、それらを検討したり機能させる必要がある。「行け行けどんどん」ばかりでは、”失敗”してしまう。

前輪の故障自体のため、今後原因究明や航空機検査が実施されるだろう。が、まずは、胴体着陸により最小の被害で収まった事で安堵したい。

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