今日のニュース。日本IBMが、JALとの合弁会社JALインフォテック(JIT)の株式をJALに譲渡。JITはアウトソーシング契約によるもので、言わばJALがインソースに戻す格好になった。
今回の件はJAL自体の再生も関係しているが、アストソーシングで外部化したものをインソース化する動きもある。典型的なものは、2004年の米JPモルガンチェースのアウトソーシングのキャンセル。以下とかでは、当時での日本の動きへの考察も行われている。(他にもあるかもしれないけど。)
http://cloud.watch.impress.co.jp/epw/cda/ohkawara/2004/09/30/3478.html
http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/265686?m=1
本来直接関係しないが、最近聞く金融関係のシステム構築では、発注側が結構突っ込んだ要求分析や管理を行っているように思う。大きな理由は、システムトラブルが大きなニュースになったこともあり、それを回避/少なくするため。これも、インソースへの回帰と言えなくもない。
ただ、インソースの方へ流れが変わりメンバーが元の会社に戻ったとして、うまく行くのかと気になった。言葉としては不適切かもしれないが、一度壊れた環境を元に戻す”環境再生”のための手間や時間と似た部分があるように思える。特に心理的な側面や設計・品質をも含めた考え方のギャップ、そしてIT投資縮小の動きとの兼ね合いが大きいだろう。
結局、一律的なアウトソーシングを行ったら問題で、IT化でどこをインソースのままにするかアウトソースにするかの十分な検討が必要だろう。一度アウトソースしたものは、基本的にアウトソースのままで構わないくらいの覚悟が必要。また、必要な部分はIT投資を行い、効率アップなどを進めないと海外を含めた他社と互して行けない。