ここ2,3日電車の中で読んでるのが発想法関連の本。「問題解決手法の知識」(2版)。 その中の記述で、「東芝で開発された技法にブリッジ法という手法があります」という箇所があった。著者はその手法をベースにして、”ハイブリッジ法”なる手法を生み出しており、本ではハイブリッジ法について述べている。どちらも、KJ法のようなカードによる問題列挙や解決方法の検討がベースになっている。
現在も東芝で活発に使っているかは不明だが、企業で発想法まで生み出してるんだ~というのが、その時の感想。東芝で、どんな背景で手法を生み出すことになったか少し興味が沸いたし、今も使っているんだろうかと少し気になった。 そんなことを考えていたら、以前(20年ほど前)にKT用紙を使って検討したときの事を思い出した。”KT用紙”はA1サイズの大きな紙で、今でもネット検索すると出てくる。ただし、両脇をダブルクオーテーションで囲まないと、他の用語が検索結果に多く出てしまう。 当時は個人的に、KT用紙での検討は非常に違和感があって、なんでこんな方法で検討するんだろうと訝しがったのを覚えている。というのも、直ぐ脇にホワイトボードはあるし、それでハードコピーというかスキャンも出来る。よく分からないチームというかリーダーだな~と思った。1,2年して判明。どうやら、社内研修でKT用紙の項目があった。その関係もあって、KT用紙の在庫があったり購入もすんなり行えたのだろう。 その後(3,4年前)別のチームというか状況だけど、マインドマップの手書きに拘る人がいた。検討時にパソコン系のツールを使うことをぼろくそに言う。手書きでのメリットもあるけど、そこまでぼろくそに言わなくてもというのが感想だった。 どうやら両方とも、受けた教育をそのまま適用しようとして、検討という場での活用を忘れてるに近い。つまり、KT用紙もマインドマップも手段なのに、教わった方法でないと気がすまなくなっているという人種。 実は古い知り合いなどとの飲み会で、「当時は、KJ手帳を持ってたね~」なんていう話が飛び出す時がある。相当昔、発想法としてKJ法を習い、その手法のためのグッズを購入して持ってたというものだ。KJ手帳は、1枚に小さなシールがいくつかあって、それが冊子になっているもの。 古い知り合いとの話は懐かしさで飛び出すもので、当時でもKJ手帳が無ければ、紙片に書いてそれを並び替えるなんていうことはやっていた。今だと、ポストイットの利用だろうか。 で、KT用紙・手書きマインドマップとKJ手帳の思い出が大きく違うのは、後者が当時でも手段に拘ったわけじゃない事。検討の方が重要だから、紙片でもホワイトボードでも余り気にならなかった。(並び替えの絡みがあるから、ホワイトボードよりも紙片の利用にはなるだろうが。) 昨今で、自分の回りで多いのは、ポストイットと「イーゼルパット」の利用。どちらも(元々というか商品名的には)3M。イーゼルパットがない時は、大きな用紙や机の上にポストイットを置いてデジカメなどで撮影して保存したり投影する。もちろん、その時の用意された物品で臨機応変に対応する。 ちなみにワークショップなどで、討論結果の発表があって、チーム内にPC持参の人がいたらPC上で整理したり手直しすることがある。不思議なもので討論中は合意形成されたと感じても、まとめたり発表に備えようとしたら、記載してる事と意図してることが乖離してたということは少なくない。 いずれにしろ自分の場合、ワークショップの類でチームでのツールの利用方法や検討方法の合意が早い時ほど、上手くまとまることが多いと感じる。あるいは、(自己紹介や)これらに対する意見を最初にフランクに述べ合うことが出来れば一安心といった感じだ。もちろん相手のある事なので、出足は良くてもその後がまずかったというのはあるけど、合意が早いと他のチームと比較して時間的にもプレゼン的にも高得点といったことが少なくない。 問題解決や設計でのアイデア出しって、使うツールに固守しすぎて目的かとかを忘れたら本末転倒。場合によっては、ライバルチームやライバル企業に先を越されてしまう。ツールも使いようと、改めて感じた。 「問題解決手法」 「発想 ツール」