つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

プロジェクトマネジメント学会 2012年度春季

昨日(14日)と今日は、プロジェクトマネジメント学会2012年度春季研究発表会に参加。 http://www.spm.or.jp/pm2012_spring/ キーノートで「坂の上の雲」や「信長」の文字を目にして興味を覚えたのと、開催場所が東洋大学とのことで今年の箱根駅伝優勝の学内掲示があれば見てみたいと思ってのこと。 なお、電車の関係もあって、少し遅刻してしまった。会場へ小走りしてたら、偶然知り合いと遭遇。メイン会場までに、近況を聞いたりした。人生、色々ある。彼は懇親会へは不参加だったし今日は見かけず、色々話ができれば良かったんだけど、、、。 以下思いつくままのメモ。ちなみに〔〕内の番号などの記載は、セッションの番号。 ・キーノート (1)キーノート1 「『坂の上の雲』に学ぶこれからの人づくり」 (2)キーノート2 「もし信長がコミュニケーションエンジニアリングを知っていたら」 (3)キーノート3 「人を繋ぐ」 (4)キーノート4 「復元力を生むリスクマネジメント思考」 上記での2と4は、自分には余りメリットを感じなかった。2は教材が流れる時間が長かった。4は身近な具体例に乏しかった気がするし、予稿集に書かれている震災のことにもう少し触れてもらっても良かった気がする。4は時間オーバーで、次の講演への移動や資料確認にちょっとアタフタしてしまった。 1は、遅刻で冒頭を聞き逃したけど、面白かった。西郷頼道と山本権兵衛の六・六艦隊のための資金流用に触れ、現代のコンプライアンスとの対比の話が印象的。つまり、文面にこだわりすぎて、コンプライアンスの本質を忘れるのは本末転倒。ちなみに、席に座ることも可能だったけど、結局立ったままの受講した。 3は、会場を3グループに分け手拍子での合奏などを行い、楽しい一時でもあった。消費税5%と3万人の自殺者の経済効果/損失が同じ(だったはず)とか、被災地での催しや使い古しの楽器を贈る活動の紹介もあって、考えさせられる部分も。合奏の様子を言葉では表現しにくいけど、係の人が結構写真撮影してたので、学会のページなどで紹介されると思う。 ・全体的に日立や富士通など国内メーカーの人が増えた感じがした。予稿集では富士通はさほどでもないけど、サポートの人が少なくなかった? ・震災の関係なのか、「リスク」が口にされることが少なくなかったと思う。ただし、本来行うべきプロジェクト上の作業が不十分なこともリスクと述べることが少なくなかったと考える。要求分析が不十分とか、品質を確保できないとか。ちょっと違うよな~との印象。キーノートだと、学外の人なので頷けもするが。 この辺りを気にするのは細かすぎるかもしれないが、述べたような項目をリスク一覧にして、それでリスク分析を行ったとするようなことを危惧している。つまり、本来のリスク検討が、実質行われなかった状況になってしまう。 ・テーマを見て会場に行っても、メリットとか新規性に疑問を感じる物がいくつか。予稿集では差し障りがあって書かないのだろうと思ってたら、予稿集よりも概念的に思えるプレゼンの時も。自分の読解力が乏しくなったせいか、、、、。 ・影響要因を考慮した試験フェーズにおける品質分析手法〔1203〕 軸を試験密度と誤り検出率として、どこにいるかをプロット。領域をゾーンで区分して、テストが非効率かとかを判断する。 プレゼンでのプロットの単位が”機能”だったので、講演後に確認。モジュールとかプロジェクトではなく、やはり”機能”とのこと。(もちろんモジュールやプロジェクトにすることは可能。) 誤り検出率は千行あたりのバグ数とかなので、対比などまで考えると、”機能”にするためには多少工夫が必要だ。結合テストなり、システムテストの前段階でに、脆いところを知ることにも有効だろう。個人的には、こちらの方が良いヒントになった。 ・大規模電力プロジェクト向け建設マネジメント〔1405〕 紹介されたツールで、スケジュールのクリックで、どの配管部分の工事かを示すのが印象的だった。別の講演後に直接聞いて、プロジェクト管理ツールとの連携も多少教えてもらったが、やはり表示のための課題が残ったりするみたい。(ソフトウェアでも同じようにできないか思いを馳せ、別項目として書いてみる。) ・エンタープライズ系と組込みソフトウェア開発の品質メトリクスの比較分析〔2209〕 個人的に興味あった講演。例えば、バグ1件発見するのに、エンプラだと8.28H、組込みだと19.83Hなど。また、エンプラの方が後で発見される割合が増える。 講演後に少し話をさせてもらったが、顧客で深く興味を持ってもらえるところは少ないとのこと。クラウド等でエンプラ+組込みのシステムが増えつつあるんだろうが、絶対数はまだまだなのかもしれない。また、バグ数が少ないというかバグ発見時間が長いとの印象だったが、発表者での実測ではそうだったとのこと。どちらも、(出荷直前の回帰テストなどではなく)システムテスト全体相当と言ってた。 ・プロジェクト有識者支援〔2210〕 NTTデータ本体のOB(グループ会社在籍)の言わばスーパーSEをプロジェクト支援者として活用したとの事例。2つのプロジェクトでの対比もあって、興味深かった。前の講演から急に人が増えた感じもして、企業でも気にしている事項のように思えた。 事例が少ないし、Q&Aで人事的な扱いを確認への返事でも模索的なことが少なくない感じ。また、2つの対比では、関与の仕方とか、支援者や支援される側の人柄に大きく左右されそうだ。スーパーSEが出しゃばりすぎるのも良くないし、かといってPMOに徹するのも効果が生まれない。発表者も述べていたと思うが、その辺りを上手く調整する役目の人が必要だし重要。 なお、昨日(14日)の懇親会会場は、16階のスカイホール。展望が素晴らしく、東京スカイツリーなども見えた。また懇親会では、箱根駅伝で活躍した柏原選手が富士通に就職することなどの話も出て、個人的には和やかな印象。ただ、キーノート1「坂の上の雲」の講演者津田氏を見かけず、ちょっと残念。考えたら、早朝の講演だったかので懇親会への参加は難しい。少し用事もあって、40分くらいで引き上げた。 蛇足:携帯電話での撮影だけど、いくつか写真を紹介。

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箱根駅伝優勝の垂れ幕。記念ホールの外壁の方でも見かけた。右は、事務室とか食堂への階段の辺りの室内の垂れ幕。自分もマラソンなどで早く走れるようにと、願をかけてしまった。^.^; 

f:id:honda-jimusyo:20200916115619j:plainスカイホールから見た東京スカイツリー。懇親会が進むと、夕暮れ、そして日が暮れて夜景になっていった。

f:id:honda-jimusyo:20200916115623j:plain f:id:honda-jimusyo:20200916115601j:plain学内に置いてあったもの。 最初、報知新聞などの新聞を利用させてもらった物だと思った。さらっと中の紙面を見た時も、そこまでコピーはまずいんじゃないのと思ったくらい。裏面とか見ても、何々新聞の協力でとか書いてないから、なおさら。 じっくり見たり特に中の紙面を読んでくと、実際の新聞ではなくて、東洋大学の発行新聞と判明。52号と書いてあるから、結構年数を重ねているんだろう。それにしても種目も多彩で、本格的な記事だ。そんなに多くの大学へとか頻繁に行ってないからだろうが、スポーツでの新聞でこのレベルを発行している大学は他にあるのか??  今回の学会は、個人的には、キーノートや講演で参考になったものとそうでないものの差が激しかった気がする。学会内容以外では、箱根駅伝の関連/関係で、楽しい一時が多かった。

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