つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

スクラムギャザリング 東京 2011

19日と今日は、「スクラムギャザリング 東京 2011」。Scrumに関する講演とワークショップ。2日間だが、日が少し離れていて、会場も別。

http://www.scrumgatheringtokyo.org/sgt2011/index.php?id=2

http://www.scrumgatheringtokyo.org/sgt2011/index.php?id=3

1日目は、野村コンファレンスプラザ日本橋

綺麗なビル。プロジェクトマネジメント学会で懲りておにぎりなどを持参したけど、ビル内の共有スペースでは食事などは不可と。結局少し離れた公園で食べることにした。寒かったし、なかなか公園が見つからず。(ビル内や近くに安く食事できるところもあったので、そっちが良かったかも。事前案内が欲しかった。また、あの辺りってそれなりの広さの公園とかがない。震災とか考えると、結構不安。)

なお、会場内は、ビデオや写真撮影NG。録音もNG。TwitterつぶやきはOK。

オープニングでは、スクラムの概要の話や、参加者が水曜日180人、土曜日231人との話など。日本ではスクラムマスター231人、プロダクトオーナー48人、プロフェッショナル5人らしい。トレーナーとコーチはゼロ。ただし9月時点での調査で、認定サイトに国として日本を登録している人の数。(認定者自らが編集する必要があり編集してない人も多いだろうから、実数はもっと多いと思われる。個人的には、倍くらいか。)

Henrik Kniberg氏の講演では、冒頭に子供に整理整頓させるにはどうするかの事例で、自発性との関係が話された。タスクカンバンの警察での利用例など具体的で、また幅広い応用が可能であることを改めて示された感じ。ベロシティやペアプロに関する考えもいくつか示されて、参考になった。また、自分の家族との旅行と自分の仕事(講演)の話が、スクラムの手法を交えながら話された。終盤では、参考書籍の紹介。

Jeff Patton氏の講演は、usとthemの違いからスタート。(このテーマは、2日間で何度か出てきた。スクラムで言うところの”ニワトリ”と”ブタ”。)

会場の人達に挙手を依頼して、3つに分類。その後各テーブル(5,6人)に分類した3つの人がバランス良く席について、各自の問題点などを列挙するとかした。一種のワークショップ。3つは、意志決定、管理者(プロジェクトマネージャーくらいの意図)、作製者。会場自体の分類が結構偏っていたり、自分の属するテーブルの人達の中で話がうまくまとまらなかった。人数が同じになるような調整とか、テーブル内で立場変更とかやったんだけど、、、。人数が多かったことや、テーブル間移動がちょっと面倒だったのも災いしたかな。個人的には、ちょっと不完全燃焼。

午後からは国内事例。個人的に楽しみにしていた講演。

冒頭のYahoo! JAPANでの事例では、標準化との関係や社内への浸透での苦労話なども聞けて、どこも同じなのかとかYahoo!ですらそうなのかと感じた次第。ただ、目標業績評価制度とか内部統制との関連などを意識しており、それなりの大きさの企業での課題となる事への取り組みを先行して行おうとしていると受け取った。

エムティーアイの発表では、(終盤で話の出た)スクラムマスター66人との言に、自分もだけど結構驚きの声。発表者が日系ブラジル人というのも興味が出てきた。(社内調整で苦労があっただろうにとか、、、。懇親会で、ちらっと質問したりした。) スライドにいくつか面白ネタもあって、そっちも面白かった。

出雲村田製作・テクノプロジェクトの発表は、発注者と受注者が同時に発表するという、ある意味ユニークなプレゼン。地方での事例と言うことも目を引いた。(懇親会では、Rubyとの関連やコーチの人が四国であることの背景などを聞いて納得。)

懇親会は同じビル内。技術系のパーティ形式懇親会としては、料理が美味しかった。色んな人との会話では、既に述べたようなやり取りなどを行えて、参考になった。Yahoo!の講演者とは直接話せなかったが、会場に社員らしき人がいて従来スキームとの関係などを質問。実践の細部は各社で違うけど、そう急激に変貌させてないのはどこも同じと受け取った。

2日目は、早稲田大学。写真撮影NGなどは、1日目と同じ。

帰りにコリアンタウンにでも寄ってみようと、新大久保の駅から歩きにした。門から会場のビルまでの間に、コンビニタイプのお店があると思っていたら無し。昼ご飯のおにぎりなどのために、一旦外に出ることにした。近くにマクドナルドとかユニクロもあって、大学の周りが様変わりしている感じ。(って、2,3回しか来てないし、ちゃんとした記憶がある訳じゃないけど。)

受講したのは、午前は大きな会場(A/B会場)での講演的な話し。午後は、全部C会場での中級SM(スクラムマスター)向けのワークショップ。

CollabNet副社長の講演は、大企業でのアジャイル化戦略。CollabNetは、分散型ソフトウェア開発環境プラットフォームやツールを提供している。3000ユーザー企業と言っていた。従業員は、100を越える国に31000人。(思ったよりも人数が多いけど、利用者など別な種類も含めて聞き違いかも。)

プラットフォームやツールの話よりも、アジャイル化適応のパターン(確立、展開、拡大)の話や、変革の管理の話が主。AMDOCSなどの、ユーザの声の紹介などもあった。

ソニックガーデンの倉貫氏とアマゾンの玉川氏によるアジャイルクラウドトークセッションは、EC2やネットフィックス社やリーンスタートアップと、多少技術的な話しもあったけどビジネス目線が多かったかな。テンポ良く進んだけど、我々のようなタイプ(世代)には、話の分野のジャンプも少なくないしちょっと速すぎだったように感じた。

富士通の人達の話は、東日本大震災での動物医療クラウドの話が主。現地へのソフト供給というかシステム化の後、震災現場での要望などでの変更も大変だったと受け取った。あるいは、震災への対応という点を考えるなら、もっとシンプルな仕組みや機能の方が良かったのかとも。

午後からのは少し本格的なワークショップ。講師陣を囲む格好での挙手などによるグループ分けしながら、参加メンバー間で現状の問題分析などの議論を行うワークショップ。示されたタスクボードの事例に関して、テーブルの各グループでの議論(気づき)を深めるワークショップ。「バトルロイヤル」称したセッションでは、ありそうな問題点に関する意見をグループ間で議論してまとめたり、そのことをコーチ役の人とさらに議論したりした。まとめた人によっては、コーチから少しコテンパタンにやられる人もいて、さすが「バトルロイヤル」だと納得。

午後のワークショップは、なかなか言葉で表現しにくい。参加したメンバーの、気づきを起こさせるプログラムになってたと考える。「バトルロイヤル」は結構面白くて、時間があっという間だった。(サポートで)コスプレの人が2,3人いて盛り上げたし、最後には認定証なるものを手渡す遊び心もあって楽しかった。

ラップアップでは、上海大会の様子の紹介や今回の開催への慰労へ感謝の拍手。また、テーブルの隣の人と、自分の課題やその対応を議論し合って紙に書いておくなど。(2週間後だったかに、実践したか情報のやり取りを行おうねとのことだったが、どれくらい実践するか??) 課題の議論は、多少ワークショップでのネタと被っているようにも感じた。

ワークショップの「バトルロイヤル」では知った人とペアになりそうだったけど替えてもらったり、ラップアップでの隣の人も少しは知った人だった。知った人とのペアは、気が楽になる時もあれば、設問によってはやりにくい時もある。スクラムの集まりでは、それまでの研修や飲み会なども含めて知った顔が多くなる。ワークショップの時はある程度突っ込んだ課題になるかもと思って、知った人の席に近づいとくか離れとくか考えた方が良いのかもしれない。講師による質問想定とか、その日の気分によるのかな。今回は二人とも気さくな人だったり、すんなりペア交代に応じてもらい、気が楽だった。

充実した2日間だった。宴会の類があるかもと思ったけど、明日はマラソン大会に向けての練習をする予定で、帰宅。コリアンタウンは、ちょっと歩いて回る程度にした。健康食品っぽいお店があれば行ってみようと思ってたけど、案内地図などをプリントして無くて、町並みを見学した程度。人は多かった。

スクラムメンバーのTwitterで、焼き肉での宴会になったようだ。勿体ない事をしたと思ったけど、仕方ない。機会あれば、また飲み会の類に参加しようと思う。

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