つれづれなる技術屋日記

しがない技術屋。専門は情報工学で、「つれづれ技術屋」って呼んで。

iPhone4のアンテナトラブル 事例研究

今回のiPhone4のアンテナトラブルとその対応って、事例として結構参考になる。携帯電話以外の分野でも、大なり小なり発生しそう。あるいは、想定として考えておくのは悪い事じゃない。

そもそも発端は、電波受信の感度が悪いようだとネット等で。

最初は、アップル側は問題ないと。そして、表示だけの問題だと。(後で述べるけど、ソフトウェアの立場じゃ、本件が引っかかった。)

そして、ジョブズからの発表があり、ケースを無償で配布すると。全般的には、以下辺りが参考になる。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/17/news005.html

(ただし、その後ネット上じゃ、他メーカーでも起きそう発言が尾を引いている。)

個人的に気にしてるのは、表示上の問題(のみ)とした件。以下での反論もあるけど、ネット上では、表示の問題のみじゃないだろうとの発言は、(自分のよく目にするコミュでは)無かった。

http://wiredvision.jp/news/201007/2010070423.html

ちなみに、アップルは携帯電話の商品化のために、1億ドル以上の施設を用意。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/20/news038.html

また、今回のアンテナ問題の対策コストとして1億7500万ドルと見込んでいるらしい。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/21/news013.html

「iPhone4の感度がおかしい」との市場クレームをトラブルシートと考えると、以下みたいな動きかな。勝手な推測で書いてる。

「iPhone4の感度がおかしい」トラブルシート発行。

 ↓

電気屋(通信屋)は、そんなはずない。

 ↓

ソフト屋に。

 ↓

感度表示がおかしいと判明。対策してバージョンアップの方向へ。発表。

この後(並行して)、アップル内からか市場からか、表示だけの問題じゃないのではとの声が。

 ↓

再調査/再実験。

 ↓

ケース(Bumper)の関係が判明。

 ↓

ケースの無償配布とか、既存Bumper購入者への返金を発表。

iPhone4って、ハード的にiPadと共通化していることもあって、従来のiPhoneチームと若干違うんだろう。そのせいもあってか、最初の分析が(結果的に)甘かったし、表示のみの問題としたその直後の追試も(結果的に)甘くなってしまった。ハード屋、ソフト屋、メカ屋で情報共有なりたらい回し、その過程でそれぞれの問題発覚(今回は感度の計算)。それだけの対策と発表。そんなとこかな。

最初の分析=初動で結構耳にするのは、固有問題か傾向かの判断の難しさ。多少今回の件も関連するけど、ユーザーの使用条件が異なることで、さらに判断しにくいことが少なくない。

また、結構気になってるのは、ジョブズ自らの発表の件。感度表示だけだった件をジョブズが発表してたら、それはそれで収拾が困難になったかもしれない。品質問題系の発表者を誰にするかも悩ましい。

蛇足的に言えば、結構増えてきたのがハード設計の確認をソフト屋がやったり、ある程度の市場向けソフトで行ってる。今回ので言えば、アンテナの機能をソフトでの感度表示を利用するようなシーン。その関係で、問題の切り分けが難しかったり、根本原因の発見が難しい場面もある。あるいは、複合的な原因(ハードもソフトも)の場合もあるので、分析とか検証には念を入れる必要がある。 (ハード屋/メカ屋には、「またソフトか~」みたいな感覚が少なくなく、ソフト問題が発見されたりその対策が判るとシャンシャンとなり、ハード/メカの問題もある・あるかもと考えない。)

©2005-2020 ほんだ事務所(honda-jimusyo) All rights reserved.